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【悲報】副業も普及しない、ギグエコノミーも拡大しない日本

投稿日:2019年2月3日 更新日:


働き方改革の一環として厚生労働省が昨年1月、指針作成など副業解禁に向けて舵を切ってから約1年が経過しました。最近では徐々に取り入れる企業も現れていると報道されています。

しかし、大部分の企業は、政府の副業解禁の方針など関係なく、今でも副業を認めていないのが現状です。2019122日に経団連が発表した2018年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査」によれば、副業・兼業を「現在認めていない」とする企業が78.1%、「現在認めている」企業は21.9%でした。

昨年1月、厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」をまとめ、同省が示していた「モデル就業規則」から副業禁止の規定を削除しました。現在は以下のように定められています。

(副業・兼業)
第67条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。
3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。
① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④ 競業により、企業の利益を害する場合

そもそも、我が国で積み重ねられてきた判例では、新しいモデル就業規則によるまでもなく、上記に掲げられているような明確な理由が無ければ、労働者が他の手段を通じて収入を得ることを制限できないことになっていました。

しかし、実際には、雇用者側は実質的な判断を行うことを嫌い、一方的に副業を禁止する就業規則を設けて、労働者がそれに従うことを強制してきました。また、労働者の側も、形式的な違反を関係者から雇用者に密告されて余計なトラブルになることを避けるため、仮に裁判に持ち込めば勝てるような案件であっても、本来可能である筈の副業にすら萎縮して手を出せませんでした。

政府は、こうした状況を打破しようとして、モデル就業規則を改定することにより雇用者が労働者の副業を解禁することをソフトな形で促そうとしたのですが、引き続き状況が変わらないことが明らかになりました。

ソフトな形で促すことができないことが明らかになった以上、より踏み込んだ措置が必要になります。

まずは何が副業禁止の対象となる副業に当たり、何が副業に当たらないのか、あまりにも判断材料が無いことが、萎縮効果を引き起こしており、この線引きを明確にすることが第一歩でしょう。

近年、世界では、ギグエコノミー(Gig Economy)といって、インターネットを通じて単発の仕事を受注する働き方や、それによって成り立つ経済システムが急速に成長しています。雇用契約というよりは、委託契約や請負契約であることが殆どです。

形式的に副業・自営に当たる可能性が少しでもあるものは全てまずは副業・自営に当たるものとして会社の許可を得よとすること自体が、非合理的な萎縮効果を引き起こしています。このため、知識・スキルを活かした具体的な業務・作業を、固定的な時間的拘束の無い形で受託し、夜間や休日に常識的な範囲内で行うことは、合理的に解釈すれば本業に何ら害が無いので、副業禁止の対象となる副業・自営に当たらず、そもそも許可が不要であることを明確化すべきです。

なぜかというと、とりあえず副業・自営に当たる可能性があるので許可を求めよということにすると、許可を求められた上司も責任を取りたくないのでとりあえず嫌な顔をして、場合によっては申請を取り下げるように無言の圧力をかけるのが日本社会です。申請する側も、最初からそういう面倒なイザコザが予想できるので、そもそも申請しようと思わない構造になっています。

しかし、そもそも副業・自営が禁止されるのは、本業への悪影響を防ぐためなので、本業に悪影響を及ぼすおそれの無いものは、副業・自営に当たらないとすべきです。しかも、本業に悪影響を及ぼすおそれがあるかどうかを労働者に対して圧倒的強者である雇用者が事前に判断するという仕組みは、最初から機能する訳がありません。

このまま雇用者の善意に依存するような政策が継続する限り、日本で副業が真に普及することもなければ、ギグエコノミーが拡大することもなく、労働分配率が低下する中で、一般国民の低所得化を阻止することはできないでしょう。

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